「屋根借り事業」 ルーフリース事業!

山本 まこと

2012年03月16日 18:39

 政府は自然エネルギーの全量固定価格買取制度開始に合わせて導入に言及している「屋根借り」制度は、発電会社が一般家庭の屋根を借りて発電事業を行えるようにするというもの。

一般家庭向けの3~4kW規模の太陽光パネルの設置費用は、180万円~280万円程度で、売電しても投資回収には10~20年程度かかります。

そこで、企業が一般家庭の屋根を借りて太陽光パネルの設置費用やメンテナンスの経費を負担して設置する。
家庭は屋根の賃料収入があり、企業は売電による利益を得られるという仕組みが屋根借り事業です。

イギリスのブリティッシュガスは、一般家庭の屋根を借りる「ルーフリーススキーム」事業を展開し、環境先進国のドイツには、屋根を借りたい事業者と貸したい人をマッチングするコミュニティサイトもあります。

日本国内でも、工場や大規模商業施設の折半屋根や陸屋根に特化した屋根借り事業が出てきています。一般家庭の屋根借り事業同様、貸し手企業は自己負担ゼロで、設置した太陽光発電の規模に応じて、15年間、一定の収入が得られるというビジネスモデルです。

工場屋根に注目が集まるのには理由があります。2MW以上の発電所には特高連系が必要で、申請から連系まで約1年近くもかかる場合もあり、また、コストも上昇するケースが多く見られます。

そこで、2MW以内の規模で、一定以上の面積があり、近くに高圧線があり、土地整備費もいらない―そうした好条件が整っているのが工場屋根なのです。

ルーフリース事業には様々なスキームが考えられます。前述のブリティッシュガスのスキームは、民間や公営住宅の顧客に対して、初期投資なしで太陽光パネルを設置。ブリティッシュガスはFITによる売電収入を得、住居オーナーは太陽光パネルから得られた電力を無料で使用することができるというものです。

太陽光発電の設置目的によっては、ルーフリース事業のメリットは大きいだけに、国内での展開が注目されています。

ご質問や気になることはお気軽に、下記フリーダイアルにお問合せください。
0120-117-998 山本 こちら


関連記事